
私が以前、在籍していたのは郊外の小さなウエブ制作会社でした。クライアントは大 きな企業から、地域の小さな会社まで、多種多様な会社さんと仕事をさせていただい たのですが、特に印象深いのは地域の中小企業のホームページ製作です。
大きな企業だと、ホームページやウェブマーケティングの専門部署があったり、専門 知識をもったスタッフの方とやりとりを行うのですが、地方の中小企業の会社さんで はなかなかそこまで手が回らないとおっしゃるところが多く、まず「ホームページと はなんぞや、ホームページをつくるとどんな効果があるのか」をお話するところから 始まりました。
最初は、営業の方と一緒に訪問し、クライアントの希望を聞き取ってデザイン案を何 点かご提案します。ここで大変だったのは、ホームページ製作が初めての会社さんだ と、どんどん要求が多くなってきてしまうことでした。 特に、インターネットに慣れていない上層部の方々はホームページに制作費をかける のに難色を示されることもあり、まずはこちらの仕事をご理解をいただくことが重要 でした。
そういうときはホームページ製作についてや、人件費について営業の方と何 度も説明をして「この予算だとこの作業が可能です。これ以上は追加費用が発生しま す。」と納得していただくまでご説明します。 ホームページは制作してすぐに効果が現れるわけではなく、SEO対策など長期的な運 用が必要、というご説明するのは、なかなかに骨が折れる作業でした。
また、あまりインターネットに慣れていないクライアントには、ホームページのしく みからその効果、製作から運用までをマニュアル化して提出するようにしていまし た。マニュアルにはなるべく専門用語を使わずに、わかり易い言葉と、簡単な図式で 説明をしました。 マニュアルの作成は、ホームページのデザインやコーディングよりも時間をかけまし た。
私がいた制作会社では、ホームページをつくって終わりではなく、ホームページの管 理運用も行っていましたので、クライアント側で更新作業をしたいという要望がある ときなどに前もってマニュアルを作っておくと、それを元にお話ができるので打ち合 わせがスムーズになりました。
苦労が多かった地域の中小企業でのホームページ製作ですが、クライアントが会社か ら近いいため、何度も打ち合わせを重ねることで信頼関係を築くことができ、その後 も継続して仕事をご依頼いただいたり、知り合いの会社を紹介していただたりして、 地域の会社さんとのネットワークがつくることができました。